2017年11月23日木曜日

それはセクハラやで


先週投稿した「日本女性のフィリピン恋愛事情」。フィリピン男性と結婚したり、ただいま恋愛中だったりの方々から、いくつかのコメントをいただきました。概ね共感してもらったようです。それほど熟考して書いたわけでもなかったので、たいへん有難く思うと同時に、ほっとしております。

ただ、残念だったのは、フィリピン男性との結婚について、国際結婚自体がそれほど珍しくなくなった今の日本でも、偏見に満ち溢れた人が少なくないこと。「フィリピン男性と結婚するなんて、気の強い女だ」「フィリピン人は怠け者ばかりだから、金目当てだ」などの、日常的にひどいことを言われている女性もいるそうです。

これは二重の意味で許しがたい。まずフィリピン人への侮蔑。そして女性全体への蔑視。差別発言にして、完全なセクシャル・ハラスメントです。もし私の娘が(娘はいませんが)こんなことを言われたら、相手を張り倒しているだろうと思うぐらい。

思い起こしてみると、フィリピン女性と結婚した私も、ここまで明らさまではないにしても、偏見の目で見られたり、心ない言葉を投げかけられたこともありました。何人かのフィリピン人と暮らす知人も、フィリピン人と結婚すると言ったら家族や友人に止められたと、異口同音に語ってくれます。

さらに、この投稿への面識のない日本人男性からのコメント。「外国人男性は、アメリカの弁護士資格でもなければ、日本ではマトモな仕事がない。だから男性側の国に住むしかない」という訳の分からない内容。なぜここで急に弁護士資格が出てくるのか意味不明だし、日本で働く外国籍の人が、過去最高数を記録している昨今、何を見たらこんな戯言が出てくるのか。

試しに厚生労働省が発表した2016年の数字を見ると、雇用届けがある人だけでも、100万人を超えています。内訳は中国、ベトナム、フィリピンからだけで全体の半数超。この人たち全員が、アメリカの弁護士資格を持っているとは到底思えない。私が個人的に知っている日本で働くフィリピン男性では、フィリピン料理レストランの経営者や、カトリックの神父さん。これがマトモな仕事でなければ、一体どんな職業がマトモなのか。

腹が立つのでもう一つ書くと、私の家内が日本に暮らして時には、ネイティブレベルの英語力を活かして、ピジョンキッズワールドの先生をしてました。もう10年以上も前ですが、給料が月に30万円。私が会社を辞めて養ってもらおうかと、本気で思いましたよ。

フィリピンに来たこともなければ、フィリピン人に会ったこともない人が、偏見も持つのは、分からないでもない。日本でのフィリピン関連の報道って、経済関連を除くと、犯罪か貧困、災害のニュースが多いですからね。ところが、フィリピン人配偶者がいて、フィリピンに何年も住んでいるような人まで、フィリピン・ネガティブキャンペーンに加担するのは、困ったことです。

思うに、フィリピン人は金目当てで集まる奴らばかりだと言うのは、自分が札束で相手の顔を叩くような付き合いしかしてない証拠。結局のところ偏見というのは、自分の中のネガティブな考えの裏返し。嫌な部分が鏡に映し出されているようなもの。そんな負の感情をネットに流しても、誰の得にもならないんですけどね。


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