2017年4月8日土曜日

億万長者?


今日は、日本でも(というか日本語のネット環境?)で、ずいぶん話題になっている、ノアコインについての投稿です。「ノアコイン」でググると...出てくる出てくる、「両替しておくだけで億万長者」「フィリピン発仮想通貨の驚くべき可能性」「6000兆円プロジェクトのノアコイン」。私は、この手の広告や勧誘は、昔からうんざりするほど見てきましたので、今更驚きもしません。ただ、新しいやり方だと気になったのは、「フィリピンの経済発展を支援する」と謳っている点。

私がフィリピンに関わり始めた20年前からあったのは、フィリピン女性との結婚で問題を抱えている人に、手続きやビザ取得を請け負ってお金を稼ぐ商売。私の知る限り、良心的な業者よりも、法外に高額な手数料と引き換えだったり、手続きやビザの取得ができない、詐欺そのものか、詐欺まがいのものが多かった。最近では、好景気を背景にした新築コンドミニアム(マンション)への投資や、永住ビザが数日で簡単に取得できるという話が目に付きます。

私も15年前に、フィリピン人の家内名義でネグロス島に宅地を購入したので、フィリピンの不動産取引について、まったく知らないわけでもありません。結果的に移住した頃には価格は倍ぐらいになり、もし投資目的だったらかなりの儲けになったでしょう。ただ、ネグロス島の宅地に関しては、買うのは現金さえあればとても簡単ですが、売るのは容易ではないようです。

私の宅地のことはともかく、婚姻手続きにしても、コンドミニアムや永住ビザにしても、フィリピンという国と腰を据えて付き合うつもりがない人には、あまり関係がありません。その点、今回のノアコインは、フィリピンに投資するというより、フィリピンに関係する仮想通貨への投資なので、興味を持つ人は比較的多いように思います。

それにしても、これほど大々的に告知してしまっている時点で、普通の感覚の人ならば「怪しい」と感じるもの。私がフィリピンに宅地を買った頃など、まだこの国は「アジアの病人」「アセアンのお荷物」と呼ばれていた時期。しかも田舎のネグロスなんて、日本では見向きもされていませんでした。

私がちょうど社会人になりたてだった頃の、バブルに浮かれる日本経済を知っているなら、誰でも金儲けができるという文句ほど危ないものはないと、痛い目を見て骨身に沁みていると思います。それ以外にも色々見てきましたからねぇ。洗剤を売る話とか、宗教がらみの話とか...。

正直なところ、初めてノアコインのサイトを見た時は、今時これにお金を出そうという人がいるのか?と感じたものです。ところがそうでもなかったんですね。まるでフィリピンの国家プロジェクトのような煽り方で、おそらく相当な数の問い合わせがあったのでしょう。とうとう在日フィリピン大使館から、フィリピン中央銀行は、ノアコインの事前販売に関しては、何の権限も与えていない旨の通知が出ました。

それでなくても、フィリピンについての日本での報道や記事は、昔からあまりいいイメージのものがありません。日本に住んでいた頃は、母国の犯罪と貧困のニュースばかり見せられた家内は「ネガティブ・キャンペーンだ!」と怒り出すほど。それをさらに上塗りするような事件になってしまうんでしょうか。フィリピンに住む日本人としては、かなり憂鬱な気分です。


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