2015年12月17日木曜日

もう日本には戻れない いじめ編


日本では、ほとんど連日のように報道される学校での「いじめ」。痛ましいことに、記事になるのは、たいてい被害者の自殺という最悪の結果になってからです。セクハラ、パワハラ、モラハラ、虐待...。最近マスコミがどんどん新しい言葉を使いますが、すべて「いじめ」を違う言い方してるだけで、根っこは同じ。

これは日本だけに限ったことではなく、例えば人種・宗教差別に起因するいじめ行為は、世界中にあるでしょう。もちろん、私の住んでいるフィリピンにだってあります。直接目にしたことはないものの、回教徒への嫌がらせや、一部の疾病患者への差別もあるそうです。しかし、小学生や中学生の子供が同じ子供をいじめて、自ら命を絶つまで追い詰めるなんて話は、少なくとも私は聞いたことがありません。

実は私が中学生の頃、かなり悪質ないじめに遭った経験があります。今に至るも原因がよく分からないのですが、5〜6人の学生から学校の行き帰りに殴る蹴るの暴行を受けました。それも実に執拗で、ほとんど毎日繰り返し。思えばこれは、警察に通報レベルの立派な犯罪ですね。ただ私の場合は、幸運にも相談した先生が実に素晴らしい方で、いじめを知ったその日に加害者の学生たちを職員室に呼んで叱りつけ、私に謝罪させました。今でも忘れられない恩人、理科のO先生。

それにしても、もしO先生のようにしっかりした指導をしてくれる人がいなかったら、どうなっていたでしょう。想像するだけで恐ろしいことです。中学生だった私にも、どの先生に頼ればいいか分かっていて、敢えて担任の教師ではなくO先生のところに行きました。頼りない先生も多かったのも事実。当時は「校内暴力」という言葉が初めてマスコミに登場し、私のいた中学でも生徒に殴られる先生がいました。

最近ではいじめをする側の子供の親に気を使うあまり、先生が動けないような状況もあるらしい。いじめられる側も悪いなんてアホなこと言ってる間に、取り返しのつかない事態に。どう考えたって複数で一人をいじめるのは、いじめる方が全面的に悪いに決まってます。殴り返さない者を殴るのは、人間として最低の行為でしょうに。
こういう経験を積んだ目で見ると、日比混血の息子が心配になるのは当然。些細なきっかけでも一度いじめが始まってしまうと、とんでもなくエスカレートするのを身を以て知ってますから。

フィリピン移住に際して、子供の学校について心配頂くこともありましたが、初〜中等教育に関しては全く問題を感じていませんでした。むしろ子供同士のいじめが滅多にないフィリピンの方が安心できるぐらい。実際にネグロス島に来て、息子を現地の小学校に入学させましたが、思った通り。このブログでも何度か書いた通りハーフの子供が多く、同じフィリピン人の友達同士でも家で使ってる言葉が異なったりするお国柄。つまらぬ同調圧力など、大人になっても感じることはありません。

移住後しばらくして、急にSNSで中学の同窓生との交流が増えて、40年ぶりの再会を喜びましたが、なんといじめに加わっていた男から、まるで何もなかったかのようにメッセージが来たのには驚きました。殴った相手は罪の意識どころか、覚えてもいないものなんですね。げんこつで殴られた痛みは、そう簡単に忘れられるものではないですよ。


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