2015年4月16日木曜日

葬式スカイプ

フィリピンのインフラ、電気・水道・通信・交通、どれを取っても日本に比べると著しく見劣りします。停電はしょっちゅうなのに電気代は日本並み。水道の水圧は低すぎて、自分で水タンクや水ポンプを設置しないと、朝のピーク時にはシャワーも満足に浴びれない。インターネットは遅い上に通信障害はやたら多い。交通に関しては旅客鉄道はぼ皆無で、移動時間が全然読めない...などなど。

不満を言い出したらキリがないし、世界水準では日本のサービスがある意味異常なほど充実しているので、経済レベルを考慮すると比べるのが酷かも知れません。私が生きているうちに、これらが画期的に良くなることも期待はしてませんし、もう慣れました。

しかし変な規制がないだけに、意外にも新しい技術が普及するのが劇的に早いこともあります。分かりやすい例が携帯電話。元々固定電話の通信網がイマイチだったので、電話線に頼らず、比較的設備投資が少なくて済む携帯は、1990年代の半ば頃に爆発的に広がりました。以前の投稿でも書いたように、日本と違って経費が馬鹿高くなく、数千円の電話本体購入費と100円のSIMカード、そして数十円単位からのプリペイド式のお陰で、貧困層でも携帯電話使用率は実に高い。

最近ではフェイスブック。ちょっと大型の商業施設ならば、大抵の場所で公共WiFiサービスがあります。スマホも中国製の格安のものが市場に溢れているので、老いも若きもみんなセルフィ撮って写真をアップ。寂しがり屋で写真大好きの国民性と、見事にマッチングしたんでしょうね。別に芸能人とか有名人とかでなくても、フェイスブック友達が数千人なんてフィリピン人はザラにいます。

そしてスカイプ。一説によると、出稼ぎやら国際結婚で海外に800万人ものフィリピン人が住んでいる。私が家内と付き合っていたころは、インターネットすらようやくオフィスで使えるかどうかという時代。国際電話を頻繁に使いたくても高すぎて、泣く泣く山のように手紙を書いてました。ところが今やネットさえ繋がれば、タダ同然で海外にいる親戚や家族の顔を見ながら会話ができる。もうまるでフィリピン人のために作られたテクノロジー。

今回の叔父の葬儀でも、ラップトップパソコンを通夜の場に持ち込んで、シカゴ在住の親戚とエンドレス状態で話をしてました。こっちでの親族大ゲンカも筒抜けだったらしい。こういうのを見ていると、たくましいというか、生きるための柔軟性が高い人たちなんですね。次の技術革新はソーラーパネルか、電動輪タクか?





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