2014年12月11日木曜日

我が娘 ソフィアとの再会

フィリピンに隠し子がいたわけではありません。
ソフィアというのは女の子の名前ではなく、フィリピンで発売されたテレビの商品名。実は私、某電気メーカーにデザイナーとして勤めていて、東南アジア諸国向けのテレビのデザインをしておりました。

先日、家内の親戚宅で晩ご飯をご馳走になった時、リビングルームに置いてあったのが、なんと20年近くも前に私がデザイン担当したテレビ「ソフィア」でした。これが記念すべき、私の海外向け商品第一号。お嫁に出した愛娘と言ってもいい。




普通、テレビは10年も使ってもらえればいい方で、最近の日本だとブラウン管のテレビ自体が珍しくなってきたと思います。しかしフィリピンではみんな物持ちが良くて、家電製品は修理を重ねて、大切に使うお客さんが多い。

このソフィアも、まだ現役で使われているのを何度か見てます。一番数が多いのは、隣町の州都バコロドでも最大のホテル。各客室に設置されているので、まだ少なくとも何十台という単位で残っているようです。開発に携わったものとしては、嬉しいことですね。

もともと、この仕事で初めてフィリピンに来ました。言わば、家内との縁を結んでくれた存在でもあります。子供が生まれた時は、女の子ならば洗礼名はソフィアにしようと、本気で考えていました。

フィリピンを含む東南アジアでは、テレビでもスピーカーは大きくないと売れなくて、どこのメーカーも不細工なほどでっかいのをつけてました。そこで音は良さそうに見えて、しかも洗練されたフォルムを目指そうということで、こういうデザインにしたわけです。ソフィアは、洗練=ソフィスティケーティッドから名付けられました。

完成まではいろいろあって、現地を知らない日本人スタッフからは、かなり酷評されたりもしましたが、売り出してみると大ヒット。今でもフィリピンでは、ソフィアのデザイナーだと分かると「サインしてください」と言われることもあります。

久しぶりの再会に、しばし昔の思い出に浸ったひと時でした。


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