2014年6月16日月曜日

フィリピンの本

先週から頼んでいた本棚が続々と仕上がって、塗装が乾いたものから順次書斎に運び込んで、ようやく最後の書籍整理。これやるといつもそうなんですが、昔読んだ本に目が止ってしまい、つい読み耽ってしまいます。



今回はフィリピンに移住して初めて、じっくり片付けをしたということもあってか、フィリピン関連、特にフィリピンパブにハマって、お金も仕事も無くしてしまった日本人男性の事を書いたノンフィクションを三冊、再読破してしまいました。

そのうちの一冊が、浜なつ子さんの「マニラ行き」
実は、この本を最初に読む少し前、ここに書かれた話に相当近い体験をしました。一つ間違えたら、今頃エルミタあたりで路上生活してたかも知れません。



なので、浜さんがどれだけ取材対象に肉薄して書いているか、強烈によく分かります。もう涙が出るくらい。しかし改めて思うのは、同じフィリピン国内でもマニラという場所は、ほんとに特殊だなぁということです。

この本だけ読んでフィリピン全部を分かったつもりになってしまうと、それはやはり全然違うでしょう。同じフィリピン人でも、ネグロス島には「マニラなど怖くて、とても住めない」と言う人は、珍しくありません。

それにしても、バブル期の頃のフィリピンパブの隆盛と、それに伴ったフィリピン女性と日本男性の国際結婚の爆発的な増加、その帰結としての数々の悲喜劇を取材して書かれた書籍は、その後のフィリピンのイメージを悪い方に決定付けてしまいました。

タイやベトナムも似た側面は多いのに、セブ島が観光地として認知されてるぐらいで、比較するとフィリピンだけが「危ない場所」と思われているように感じます。確かに今でも、フィリピンが報道されるのは、災害か、日本人が関係する殺人事件ばかりなので、仕方ないかも知れません。

今後、日本も海外、特に東南アジア諸国から労働者や移住者の受け入れが進んで、かつてのような特定の業種に偏っていないフィリピン人との交流が進めば、イメージもずいぶん変わると思います。まだまだ時間はかかりそうですね。


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