2014年5月2日金曜日

教育について思う

自宅新築を始める前、フィリピンで家を建てた日本人の発言をネットで調べたところ、大工さんのことをボロカスに書いている人が多かった。実際に仕事を頼んで、完成まであとわずかになった今、決してひどい大工さんばかりではないという思いを強くしてます。

建築のことに興味が皆無で、フィリピン人の奥さん経由で丸投げ発注したりすると「前払いのお金持って夜逃げされた」とか「手抜き工事された」となるかも知れません。それは世界でも珍しいほど、お客さん対応が行き届いた日本の感覚。

恐らくフィリピンの大工さんを扱き下ろしている日本人にすれば「大金払ってるのに、こんな仕事しやがって」と言いたいんだと思います。しかし、本当にいい仕事してほしいのなら、材料も工法も逐一自分の目で見て、分からないことは質問し、納得できなければ話合わなければ。

確かに基本的な技術や経験値で、日本の大工さんや職人さんとは天地の差があります。思い通りにできないこともあります。しかし、ちゃんと仕事ぶりを見ていると、優秀な人もたくさんいるのも事実。

今回の現場でも、三〜四名ですが「一を聞いて十を知る」ような人がいます。細かい技術的なことは、こちらが素人なので分かりませんが、だいたいの要望を伝えると、ほぼイメージ通りに作ってくれる。また、そういう人に限って、左官も溶接も塗装も手際よくこなす。

フィリピンで建設労働は、フォアマン(現場監督)にまでならないと、給料は安くて必ずしも一般に尊敬される職業とは言えません。大学出の人はまず皆無で、大抵高卒かそれ以下の学歴の人が多い。だからと言って優秀な人がいないわけではなく、高等教育受けるチャンスがあれば、もっと収入の高い仕事に就ける人はいるのに、と感じます。

例えばウチの現場のレイ君。まだ30歳になったばかりで、いつも新しいことにチャレンジしようとします。指示待ちしてるところは見たことない。自分で判断してどんどん進める姿勢は大したもの。ただし注意深く見てないと、手が早過ぎて「暴走」することもありますが…。

レイ君なら、エンジニアになっても良い仕事してたんじゃないでしょうか?
誰でも大学に行けたらいいとは思いませんが、才能のある人が教育をちゃんと受けられないのはつらい話です。


左から二人目の黒いTシャツの彼がレイ君


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