2014年1月25日土曜日

人件費が安い理由

昨日、二階の柱と梁のコンクリート打ちが終わって、今日は週一度の給料日。フィリピンでは一般的に月二度に分けて支払うそうですが、大工さんはもっと小割りにして毎週支払い。おそらく貯蓄する余裕がなくて、日銭で生活してるからなんでしょう。

出勤管理は家内がしっかりノートつけてやってます。仕事内容によって人数や顔ぶれが微妙に変わったりするので、結構面倒な仕事。支払いは100〜50ペソ単位ですが、銀行のATMではうっかりすると1000ペソ札しか出て来ないので、両替も気をつけてます。

ここでは、物価は総じて日本よりも安く、感覚的には1/5ぐらい。それもモノによりけりで、家電や車の新品は日本並みの商品も多いです。しかし、人件費、特に肉体労働は1/10〜1/30程度しかないように思います。

大工さんの日当がタイル10枚の値段より安かったりします。ヘタすると、日本のコンビニのバイトの時給より安い。物価並みならまだ理解できるのですが、なんでこんなに差がつくのでしょうか?

ちょっと考えてみましたが、肉体労働の場合、高い技能に対してそれ相応の対価を支払うという考え方が希薄なのか?という気がします。職人や大工という職業は、日本では腕が良ければ、同年代のサラリーマンより高給なのは珍しくない。
しかし、今ウチに来てくれている大工さん、能力の違いは人によって歴然としていますが、日当の差はほとんどありません。そういう習慣がないので、差をつけたりすると大変なことになってしまいます。

仕方がないので、リーダー格の人にはボーナス代わりにお酒やタバコを上げたりしてますが、それも仲間で分けている。

また、道具や装備はほとんど施主が用意していることもあります。大工さんが時前で持ってくるのは、金づちと鋸ぐらいで、コンクリート・ミキサー、グラインダー、溶接機、果てはメジャーや墨壷、軍手まで全部こちら持ち。

誰もヘルメット被らないし、みんなサンダル履きだと、何度か書きましたが、もしそれがダメなら、ヘルメットに地下足袋(これはフィリピンにはない?)を買って貸さないといけなくなります。

これでは、いつまで経ってもプロ意識が育たず、結果給料も上がらないという悪循環だと思いますが、これ以上はただの外国人に過ぎない身に余る話。その安さのお陰で、日本では実現できなかったサイズの家を建ててもらっているのですから、文句の言いようもありません。



コンクリート打ちの後、施主が購入したミキサー・エンジンを清掃する大工さん


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